遺言って、いつするべきもの?

死は、必ず誰にも平等かつ確実に訪れる事実です。
死の原因は、老衰・病気のほか新型インフルエンザ・大地震・水害・火事・交通事故等々枚挙に暇がありませんが、いつ死が訪れるか誰にも分りません。

遺言は、遺族への思いやりです。思い立ったが吉日。遺言書を書きましょう。
毎年、正月に遺言書を書き換えるという人もいます。
また、それぞれに遺言書を書いて交換しているという夫婦もあります。

遺言書って、どんな人でも用意しておいた方がいいの?

特に必要とされるケース

特定の人に多くの財産を相続させたい場合です。
  
 例1.子供のいない夫婦の場合
 例2.一緒に暮らしているが入籍していない内縁夫婦の場合
 例3.主たる財産が不動産の場合
 例4.分散してしまっては困る不動産を保有する場合
 例5.愛人に幼児がいる場合
 例6.特に世話になった長男の嫁や相続人以外の近親者がいる場合

何も問題がなさそうでも、書いておいた方がいいの?

遺言書は、遺族に対する手紙です。家族に対して、面と向っては言えないようなことでも、遺言書という文書では表現できるかもしれません。

財産の分配のことはもちろん、メッセージとして、遺言者が生前どんなことを考えていたか、また、遺族がこれからどんな生き方をしてほしいか等々を書いておくことで、遺族の救いになったり、相続分の不満を解消することができる場合もあります。

なので、財産の分け方で遺族が揉めたりする心配が全くない方も、遺言はかいておいてほうがいいです。

自筆証書遺言と公正証書遺言の違いは何?

種類自筆証書遺言公正証書遺言
形式遺言者自らの手で、全文と日付を書き、署名押印します。
ワープロソフトを使っての作成や代筆は認められません。
遺言者の口述を公証人が筆記し、その内容を遺言者・証人の前で読み上げ、全員で署名押印します。
メリット証人や公証人の関与を要せず作成できます。
従って、遺言書の内容や存在を秘密にできます。
自分で書けば費用がかかりません。
法律上の不備なく、証拠力もあります。
また、公証人が遺言書原本を保管するので、隠匿されたり偽造される心配はありません。
家庭裁判所の検認も必要ありません。
デメリット家庭裁判所の検認が必要です。
遺言書が発見されなかったり、偽造されるおそれがあります。
また、内容が法律的に不備となる可能性があります。
相続財産の額に応じて公証人手数料がかかります。
証人への手数料が必要な場合があります。
遺言の存在と内容が公証人と証人に知られてしまいます。

公正証書遺言の作成手順

作成したい内容、家族構成、財産等をヒアリングします。
不動産の登記情報や戸籍・住民票・預金通帳等の資料を収集します。
ヒアリングした内容と収集した資料をもとに、遺言書案を作成します。
公証人と一緒に、内容の確認をしながら、遺言書案を作成します。
公証役場で証人立ち合いのもと、公正証書遺言を作成して出来上がりです。

これで、公正証書遺言の完成です。
遺言は生きているうちは、何度でも書き直しできます。